経営倫理士を目指す > 第19期「経営倫理士」取得講座 > 2015年5月26日実施講義
第3回講義・前半は、古谷由紀子講師(サステナビリティ消費者会議代表、経営倫理実践研究センターフェロー)が「これからの企業と消費者の関係を考える―これまでのCS、CSR、リスクマネジメントを見直し、本質的な取り組みへ」というテーマで講義を行った。
古谷講師は消費生活アドバイザーの立場から、企業と消費者の信頼関係の現状について解説。2000年以降、賞味期限偽装やメニュー偽装表示など、数多くの消費者問題が起こっている。国民生活動向調査によると、購入した商品や利用したサービスについて「不満を持ったり被害を受けたことがある」という消費者が3割近くにものぼる。そのうち苦情を「相談したり伝えたりした」消費者は約半数。つまりこれは、日頃、企業に寄せられている苦情は、ほんの一部分であることを示している。古谷講師は、寄せられた苦情だけではなく、改めて、自社の問題点を見つめ直す姿勢を持って欲しいと語った。
また、企業と消費者の関係性については、対等でないことを強調。企業は自社の商品のあらゆる情報を把握しているが、消費者は企業側が提供する情報でしか、商品を見ることができない。企業と消費者の間には「情報格差」が存在する。自社にとって都合のいい情報ばかり開示すると、知らずに消費者に被害を及ぼしてしまう危険性があることを指摘した。
これらを踏まえ、消費者の信頼確保へ向けて、企業はどのように考えてどう取り組むべきか?これからの企業には、情報格差をよく捉え、しっかりと消費者に情報開示を行うこと。また、従来の取り組みが消費者にとっては、不充分であったり、伝わらないケースがあることを知る必要がある。古谷講師は、消費者参画(委員会の設置、ダイアログ、消費者団体との関係づくり)などの場を設けて、積極的に消費者目線を検証し、今後の業務に活かしてほしいと述べた。

2015年05月28日配信