トップページ > 経営倫理情報 > ニュースダイナミクス > 2016年2月24日配信記事
経営倫理士活動は、本年で20年目を迎え、これまでに計562名の経営倫理士が誕生し、社会の第一線で活躍している。経営倫理士は民間の各種認定資格の中でも特に注目されている。また、各社ともに経営倫理・危機管理教育に力を入れており、今後ますますその活躍の範囲が広がるものと思われる。この節目にあたり、2016年2月12日、経営倫理士4人による座談会(=写真)を開いた。テーマは、「経営倫理士活動 20年」。出席者は、以下のとおり。座談会の内容を一部抜粋、ACBEEホームページで速報する。(詳細は『経営倫理フォーラム31号』に掲載)。
【出席者】
・KTコホート研究所 山中裕(元三菱ケミカル:10期)
・サントリーホールディングス コンプライアンス室 近藤恵美(12期)
・大和ハウス工業株式会社 東京本社総務部 松本明(12期)
・サノフィ株式会社 コンプライアンス部 平井哲也(19期)
【司会】
・『経営倫理フォーラム』編集長 千賀瑛一
*敬称略
千賀:「経営倫理士活動 20年」のテーマで、経営倫理士4人の方々に集まっていただきました。コンプライアンスの浸透、ステークホルダーとの関係などについて座談会形式で話し合いをお願いします。
近藤:コンプライアンスの仕事に就くのは初めてで何をしたらいいのか分からない状況の中、体系的に基礎を学ぶことができました。論文は、水谷先生の本を端から端まで読んで書きましたが、この経験がコンプライアンスの基礎となって今に繋がっています。
近藤:グループ各社のコンプライアンスの浸透状況は様々です。従って、一律のやり方ではなく各社の状況にあった意識醸成の取組みが何より大切だと考えています。
千賀:組織内の浸透ということでは、経営層と担当セクションとの意思疎通が一番大切です。経営層がしぶしぶやって行く所と、きちんと理解してやって行く所では浸透の仕方が全く違います。
松本:社内で何かを浸透させようとする時のキーは、コミュニケーション能力と社内を動かすその会社独自のコツみたいなものを掴むことです。
平井:コンプライアンス・プロモーターというのを設け、各営業所の現場スタッフにその役割を担ってもらいました。その上で、まず彼らがそこでアドバンテージをとるために必要な教育をし、彼らに自主性を持って推進してもらっています。
近藤:研修でコンプライアンスとは…から始め、今では一巡し、理解と共有はできた段階ですが、共有から共感に行く所が次の課題です。理解し共有したことを、自ら自然に行動として実践できるかどうかです。そのために、各社の課題や原因を社員の意識調査などからあぶり出して、仮説と手の打ち方を考えた上でPDCAを回しています。
松本:現場とのギャップは少なくないので、研修では、「これこそが大事だ」と思ってもらえるようにするかを考え、参加型研修にしています。
松本:究極の場面でどのように行動するかは、知識の勉強ばかりしていても駄目ですよ。
山中:そのためには、隠ぺいやデータ改ざんの問題にしても、ミスをしたこと自体は問題ではあるが、「見つからなければ…」ということが二つ目の罪を犯すことになる。このことを経営層が本気で言っていると気付かせることが大事です。
千賀:企業が内外の多様なステークホルダーとの接点をどのように持ち、相互理解がどこまで出来るかということが重要ですね。
山中:まずは顧客という人がいますが、いくらコンプライアンス浸透の研修をやっても従業員が満足していなければ…と思いますが、経営者の素顔は従業員が一番知っていますから。従業員と顧客というのはほぼ同じ位のバランスではないかと思います。
松本:11年前に始めたステークホルダーミーティンが今も続いています。最初は、有識者懇談会でしたが、今は一般の方々、学生や住宅のユーザーなど様々な方が参加しています。
平井:ステークホルダーとの信頼関係を築くには、透明性と信頼性しかないと思っています。製薬会社であれば、まずはいい薬を開発することです。あとは透明性を高めて誠実に対応して行くことです。
千賀:透明性や信頼性の確保ということで、情報公開についてはどうですか?
近藤:お客様に安心安全な商品を提供することが使命ですし、お客様との信頼関係を築く第一歩です。一方で、全ての情報を開示することが信頼に繋がるかどうかという点についてはジレンマがあり、如何に正しく伝わるかをきちんと考える必要があります。
平井:今は、情報化社会で全て分かってしまいますから、企業が取捨選択するということではなく、全部開示した方がいい。逆に、難しい情報もあるので、その難しい情報をどうやって理解してもらえるかにエネルギーを使う方がいいと思います。コンプライアンスを社員に浸透させて行くのと同じように、企業、業界が持っている情報、知識の透明性のレベルを上げていくことが、豊かな社会作りに繋がります。
平井:事故対応については、相手の立場に立つことが原則で、メーカーであろうがサービスであろうが消費者が、起こっていることに対して、透明性を持って謝罪するなり対処するということしかありません。
千賀:20年を迎え今考えていることは、受講生の拡大とそのための広報の強化、そして、500名を超える経営倫理士の資格取得者のアフターケアです。
近藤:経営倫理士講座は経営層の方にも非常に役にたつ内容だと思います。
平井:学生など若い方に対するメリットを明確にし、層を広げることが、ACBEEのビジネス社会への影響の拡大にも繋がるのではないでしょうか?
2016年02月24日配信