東京都美術館(上野)では、史上最年少で1989年に安井賞を受賞した福田美蘭(1963年〜)の個展が開かれている。
安井賞は、戦後の昭和期に戦後画壇をリードした安井曾太郎(1888~1955)を記念して、1957年から1997年まで具象的傾向の作家の発掘を目的として授与された。
福田美蘭の魅力は、画面構成はもちろんだが、特筆すべきは、その独特の視点とテーマの切り口であろう。今回の展示でも、作品ごとに自身による解説をつけており、見る者に様々な問いかけがなされ、作品を通じたコミュニケーションが興味深い。
今回の展示は、同美術館のリニューアル後の初の現代作家による個展。同展のために制作された新作20点も含む、1990年以降の代表作約70点で構成され、福田の実力を感じさせる展覧会。
作品のほとんどがアクリル画だが、中には、冷蔵庫内に描かれた渓流の景色などユニークな作品もあり、見ていて興味が尽きない。また、狩野芳崖の有名な作品をモチーフに描かれた「秋―悲母観音」は、東北の再生の象徴であり、人々の祈りと希望が込められている。
福田は、テーマとして、バンザイ・クリフやゴミ袋、ブッシュ大統領などを取り上げた作品があり、「社会派」としての評価もある。
会期:2013年9月29日まで
休室日:月曜日、9月17日、24日
観覧料:一般800円(シルバー割、学割有り)
| 福田美蘭氏と東日本大震災をテーマに取り組んだ 四季連作の「秋―悲母観音」 |
2013年08月05日 配信