東京国立近代美術館(竹橋)で生誕110年「片岡球子展」が開かれている。
球子は、生涯現役として活動、2008年に103歳で惜しまれつつこの世を去った。
北海道に生まれ育ったスケール大きい、エネルギー溢れる画風は、見た者に強い印象を与える。
大胆なデフォルメが特徴だが、同時に、ち密さも兼ね備えている。大作で見られる文様の追求描写という形で表現されている。今回公開されたスケッチの中の彩色バラの、優しくロマンチックな絵にも端的に見られる。
球子の画家としてのエネルギッシュな歩みは、当時の画壇の潮流の中で平坦なものではなかった。自分で「落選の神様」というように、開花しないままの時代もあった。小林古径による次のような励ましの言葉も残っている。「あなたは、みなから、ゲテモノの絵をかく、と、ずいぶんいわれています。今のあなたの絵は、ゲテモノに違いありません。しかし、ゲテモノと本物は、紙一重の差です。(中略)いつか必ず自分の絵にあきてしまうときが来ます。そのときから、あなたの絵は変わるでしょう」。
この言葉とともにマイル・ストーンとなったといわれる、日本美術院の研究会で大観賞を受賞した代表作「祈祷の僧」、激しい色彩の「カンナ」をはじめ、火山、伝統芸能、と大胆に主題を変遷させていく。後半生のライフワークとして、歴史上の人物が現代に生きている様を想像して独自の視点で取り組んだのが「面構え」シリーズ。重力と空間や平面について力学的作風に挑み続けたといわれる晩年の裸婦の「ポーズ」シリーズ。球子の画家としての流れを追った集大成ともいえる力感溢れる作品が揃った。
今回は2003年の作品まで代表作約60点と、精選されたスケッチ、資料類約40点を展示している。
会期:5月17日まで。休館日:月曜日(5月4日は開館)。
観覧料:一般1,400円(学生割引有り)
2015年05月07日 配信