2013年1月6日まで三菱一号館美術館でフランスを代表する静物・風俗画の巨匠、ジャン=シメオン・シャルダン(1699〜1779)の日本初の個展が開かれている。
最大の特色は、シャルダン研究の第一人者であるピエール・ローザンベール氏(ルーヴル美術館名誉館長、アカデミー・フランセーズ会員)が厳選した38点のみで構成されている点。
シャルダンの画業は、約60年に及ぶとされ、所在が確認されている現存作品数は238点と言われる。一方、寡作のフェルメールは、大体35点前後と言われ、また、ゴッホは、10年ほどの間に集中して約2,000点を描いていることを考慮すると、シャルダンの作品は決して多くはない。静物画に主に取り組んだ時期(1730年代初めまでと1750年代初めから)と、風俗画を中心に描いた時期(1730年代初めから1750年代初めまで)に大きく分けられる。現存する最初期の油絵は、《ビリヤードの勝負》で、今回の展示で目にすることができる。
シャルダンは、次第に《死んだ野兎と獲物袋》のように奥行きの浅い空間に狩りの獲物だけをクローズ・アップする、シャルダン独自の静物画の境地を開いている。シャルダンは、花のみを主題として描いた作品は、ほとんどなく、現存するのは、今回展示の《カーネーションの花瓶》1作品のみ。さらに、同一主題で複数の作品を残しているシャルダンの、ヴァリアント(同主題の異作)による個性の違いも見比べて楽しめる。1740年にシャルダンが国王ルイ15世に謁見を許され献呈したという代表作《食前の祈り》は、その後各国の王侯貴族が入手を競って注文が殺到した作品という。
個人蔵で通常は非公開の代表作《木いちごの籠》も、1979年以来の展示回数は、今回を入れてもわずか5回だが、お披露目されている。
会期:2013年1月6日まで。月曜休館。
(但し、祝日の場合は開館し、翌火曜休館/12月25日は開館)
(12月29日〜1月1日は休館)
入館料:大人1500円(学割有り)
2012年12月24日配信