経営倫理情報 > ニュースダイナミクス > 2013年9月6日配信記事
日本経営倫理士協会(ACBEE)主催のACBEE戦略セミナー2013「ダイバーシティ経営と障がい者雇用」セミナーが、2013年8月22日、海事センタービル(東京・千代田区)で開催された。
本セミナーでは「障がい者雇用」をテーマに、企業における障がい者への配慮、持続可能な雇用・戦略化に向けた取り組みになどについて考えた。
はじめに、ファシリテーターを務める村松邦子氏(同協会フェロー研究員、総合企画委員)がセミナー開会を宣言。続いて、専務理事の千賀瑛一氏が挨拶。「ACBEEの取り組みの中でもダイバーシティはとても重要なテーマ。格差是正、差別撤廃など、ヒューマニズムこそが基本理念。これらを踏まえ、セミナーでしっかり知識・情報を身につけて欲しい」と語った。
セミナーは3部構成となっており、はじめに山田雅穂氏(中央大学総合政策学部特任助教)が「障がい者雇用とISO26000」というテーマで講演を行った。
山田氏は、まず、日本の障がい者雇用の実態について説明。「障がい者の実雇用率」は1.69%、「障がい者雇用を自社のCSRの一環として扱っていない」という企業が72.4%もあることを指摘し、障がい者雇用を重要課題として捉えている企業の少なさを訴えた。
また、山田氏は、障がいがあっても働ける企業を増やすためには、@障がいへの配慮、AISO2600の活用の2点が重要であると解説。続けて、継続的に障がい者雇用を行うためには、@経営トップが起点となり、障がい者雇用を事業内容に関連させる、A経営倫理として障がい者雇用を捉える、Bステークホルダーエンゲージメントで明らかになった配慮内容を実現するシステムの構築と、PDCAサイクルの改善が不可欠であると述べた。
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開会挨拶をするファシリテータ―の 村松邦子氏 |
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「障がい者雇用とISO26000」のテーマで 講演する山田雅穂氏 |
続いて、サノフィ株式会社「ラ・メゾンビジネスサポートセンター」の本山聡平氏、尾上昭骼≠フ2人が前・後半に分かれ、先進事例紹介として講演を行った。
本山氏は、サノフィの障がい者雇用に対する指針や、ラ・メゾンビジネスサポートセンター設立の経緯などについて解説。同センター設立前に行った障がい者を受け入れるための社内インターンシップでは、「パソコンを使ったExcel入力、電子メールの作業は、普通にできた。仕事も丁寧で正確」という感想を持つ社員が多くいたという。
後半を担当した尾上氏は、「サノフィの障がい者雇用の現状と課題」と題し、ラ・メゾンビジネスサポートセンターのより具体的な事例紹介を行った。同センターで、障がい者が実際に行っている1日の固定業務などを紹介。名刺作成、大量印刷、案内状作成など、他社に依頼していた業務を同センターで受け持てば、経費削減につながり、利益を生むと熱弁。さらに、障がい者雇用における取り組み体制、注意ポイント、心構えなどについても詳しく解説した。
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「ラ・メゾンビジネスサポートセンター」の 設立経緯を解説する 本山聡平氏 |
| 「サノフィの障がい者雇用の現状と課題」 というテーマで、事例紹介する 尾上昭骼 |
| 職場ソーシャルスキルトレーニングを 紹介する中田貴晃氏 |
最後に、キューブ・インテグレーション株式会社の中田貴晃氏が職場ソーシャルスキルトレーニング活動概要の講演を行った。
中田氏は、障がい者雇用の一番難しい点は、離職リスクが高いところであると指摘。その要因として、人間関係のストレス、コミュニケーションなどの問題を挙げた。また、トレーニングを続けることで、ビジネスマナー、ソーシャルスキルが備わってくるという。
講演後半では、実際に受講生同士で、ソーシャルスキルトレーニング(SST)を体験する時間が設けられた。2人1組に分かれ、SSTを体験。10分程度の時間で、初対面の受講生同士が打ち解け合い、会場は大変な盛り上がりを見せた。トレーニング後、体験した受講生もSSTの効果にとても感心した様子だった。
また今回は、日本経営倫理学会との協力イベントという性格もあり、同学会員も多数参加、熱心な質問が続いた。
2013年09月06日配信
※2014年04月01日追記:「CSR戦略セミナー」からの改称に伴い、記事本文も修正しました。