トップページ > 経営倫理フォーラム > マイ・ノート 経営倫理 > 2018年07月25日配信記事
私が担当しているのは、グループ企業約300社の共通インフラになっている内部通報窓口(ヘルプライン)です。企業の社会的責任を揺るがすような問題を早期発見、早期解決し、企業のブランド価値を高めるために設置された部署です。共に働く仲間の声を真摯に聞き対応しています。
受け付けた案件は、グループ各社の調査対応部署に相談内容の事実関係の確認、調査と改善対応を依頼します。その後の対応結果報告で確認をしています。また、週報という形でホールディングス経営陣に報告を上げ、月報という形で各会社社長への報告を行います。さらに、重要と思われる案件については個別に進捗管理を行い、最終着地するまで報告を続けていきます。
通報者の傾向を見ると、国内窓口への通報者の実名率は高くなく、通報することで不利益を受けるのではないか、結局もみ消されるのではないかとの声がいまだにあるのも事実です。将来的なリスクにつながる重大な案件が隠れてしまう可能性が懸念されています。
内部通報制度の優先順位は、相談者の保護をトップとします。通報することへの不安を取り除き、安心させてあげることが重要です。
■内部通報制度の周知と信頼性向上
消費者庁が公表した「平成28年度民間事業者における内部通報制度の実態調査報告書」「労働者における公益通報者保護制度に関する調査報告書」の中で重要なポイントが指摘されています。
@ 秘密厳守」を周知し、相談窓口の守秘義務を規定するなど、窓口自体の信頼性を高めていくことで、内部通報制度の信頼性、安心感を高めていく…会社側
A 内部通報窓口の心理性を高めるよりも、その窓口を設置・運用している会社、あるいは所属する職場への信頼性の向上により内部通報制度の信頼性、安心感が高まる…従業員側
特にAが重要で、いかに会社が信頼されるか、そして会社のトップが積極的に関与していくかで、従業員側が求める状態が実現できると考えています。
■実効性のある内部通報制度
優れた内部通報制度を整備・運用する企業を高く評価する認証制度の導入が4月に開示されました。内部通報制度に関する認証制度検討会の座長は、経営倫理実践研究センター(BERC)の水尾先生です。認証制度の円滑な導入・運営が行われることにより、内部通報制度の質の向上が図られ、もって、事業者のコンプライアンス経営の推進、企業価値の向上、消費者の安全・安心の確保と社会経済の健全な発展に資することを期待したいと記載されています。
更なる実効性のある内部通報制度として、通報窓口の範囲を広げ、本質的解決に結び付けたいと考えます。
2018年07月25日配信