トップページ > 経営倫理フォーラム > アーツ・ワールド > 2016年09月05日配信記事
15世紀から17世紀までのヴェネツィア・ルネサンスを一望する選りすぐりの名画57点が来日、六本木の国立新美術館で展観されている。ジョヴァンニ・ベッリーニ、カルパッチョ、ヤコポ・ティントレット、パオロ・ヴェロネーゼほかで、主にアカデミア美術館からの出品。同美術館は、レオナルド・ダ・ヴィンチ《ウィトルウィウス的人体図》、ジョルジョーネ《テンペスタ(嵐)》(2 点とも今回は不出品)をコレクションしていることでも知られる。
冒頭部分で、カルロ・クリヴェッリの作品が展示されており、魅了される。クリヴェッ リは、ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵の《受胎告知》でも評判で、その画風はマル ケ地方移住で育まれた独自のものと評する声もある。
第5章では、歴史上、ルネサンスの最も有名なコレクターの一人であり、 共和国統領を父に持つ枢機卿ドメニコ・グリマーニの肖像(パルマ・イル・ジョーヴァネ作) が出品されている。所蔵品には、ジョルジョーネ、ボス、ダ・ヴィンチ、ラファエッロ、 ミケランジェロらが含まれていたという、注目の人物。
ルネサンス発祥の地、フィレンツェでは、明快なデッサンと緻密な着彩、 すっきりとした構図が特徴で、一方のヴェネツィアでは、やや遅れて1440年頃にスタート。 ローマからの宗教的束縛も少なく、自由奔放で豊かな色彩と官能的側面、 そして大胆でドラマチックな構図で感情や感覚に直接訴えかける傾向が強い。
今展での注目は、ヴェネツィア盛期ルネサンス最大の巨匠ティツィアーノ(1488/90 〜1576) の晚年の代表作《受胎告知》が特別出品され、初来日したこと。 約4mの大きさのサン・サルヴァドール聖堂の祭壇画。暗い背景に明るい大まかな筆触で生み出したのは、 もはや自然主義的再現を超え、容易に描出できない神秘的絵画空間の経験で大画家の 深遠な境地。天才ジョルジョーネ(1510年没)の協力者でもあり、常に同地画壇の第一人者でローマ皇帝 や西王フェリペ2世も重要な顧客だった。残された作品は、ルーベンスやベラスケス、ヴァン・ダイクにも大き な影響を与え、19世紀に仏印象派への芸術的霊感の主な源ともなった。
会 期:10月10日まで 休館日:毎週火曜日
入館料:1,600円 (学生割引あり)
2016年09月05日 配信