国立新美術館(東京・六本木)で、スイスと日本の国交樹立150周年を記念し、「チューリヒ美術館展〜印象派からシュルレアリスムまで」が開かれている。
チューリヒ美術館は、国立の美術館ではない。芸術家と愛好家による1787年の小さな集いがルーツという珍しい成立。ヨーロッパ最古の芸術団体・チューリヒ芸術協会と同市により支えられている。一般的な呼称は、「クンストハウス」(芸術の館)で、ここからもスイスの民主的な精神が読み取れるという。
今回の展示は、全14章。特集展示の「巨匠の部屋」、続いて、各時代の動きやそれぞれの時代の代表的作家たちを紹介する「時代の部屋」が交互に並ぶという構成になっている。いずれも評価の高い作品ばかりで、計74点の展示。ムンクなど各作家の特徴的作品群が集められている。
注目したいのは、やはりモネの大作「睡蓮の池、夕暮れ」で、縦2㍍、横6㍍というスケール。モネが約30年間にわたり、取り組み続けた有名なテーマの中でも傑作。美しい色調の夕景の睡蓮が描かれ、見る者を虜にする。今回が初の日本展示で、館外に貸し出されるのは、2度目という。
スイス象徴主義を代表する画家であるフェルディナンド・ホドラーの「遠方からの歌」など、未完成ながら注目すべき秀作も出品されている。
「叫び」(今回は未出品)で有名なムンクだが、この度の展示作品群は、ムンクらしさを十分、感じさせる色使いなど、比較的一般愛好家にも受け入れやすいものばかりだ。
シャガールの部屋では、「窓から見えるブレア島」は、独特の風情が感じられる魅力的な1枚。
シュルレアリスムの章は、イヴ・タンギーも紹介され、ダリ、ミロ、デ・キリコ、エルンスト、マグリットと各画家の特徴が出ている展示。
他にも、ゴッホ、ピカソ、カンディンスキー、パウル・クレーなどの名作も並ぶ。
会期:12月15日まで。休館日:毎週火曜日。観覧料:一般1,600円(学生割引有り)
2014年11月07日 配信