再興日本美術院の「世紀の日本画」展が上野の東京都美術館で、開かれている。
日本美術の革新は、明治期にフェノロサと狩野芳崖によってもたらされたという。そこから発展したのが、岡倉天心らと東京美術学校を通じて羽ばたいた横山大観、下村観山などだ。
日本美術院は、1898年に設立され、純粋な日本美術を生み出すことを大きな目標としてきた。しかし、一時期、同院は経営難に陥り、茨城県五浦の景勝地に本拠地を移転。1914年、天心の一周忌を機に再興日本美術院として大観らが活動を開始。「再興院展」として今日まで引き継がれている。
また、戦中の、日本軍部への協力姿勢に強い批判もあった。これらの批判に対し、大観は「日本画の究極は気韻生動に帰着する。人格を養うところに気韻が発揮され、才気と教養を身につけるにつれて気韻が高まって行く…」という言葉を残している。日本画のあるべき姿を示したものといえるだろう。
今回の展示は、前期、後期の二部に分かれている。展示を見てもわかるように、院の多様性が強く印象付けられる。今回の展示では、第1章「名作でたどる日本美術院の歩み」に始まり、最後の第7章「人のすがた」まで、大作が並んでいる。名作と言われるものから現代作家の作品まで多岐にわたり、合計120点も出展される。
前期作品群のひとつ、平山郁夫の「祇園精舎」などは、多くの作品の中にあっても、やはり風格が漂い、人目を引く。
小倉遊亀の「径(こみち)」は、「健康的な幸せ」をテーマとして中国取材時のインスピレーションを基に描かいたもの。母子と犬が連れ立って一列に歩を進めている日常の場面だが、作品の完成度は非常に高いといわれる。一方、白い夏の衣装の「舞妓」は、小倉のチャレンジ精神が反映されている作品との評価がある。
重要文化財「炎舞」などで知られる速水御舟が、西洋的細密描写をしたため、大観に「(会場から)外してしまえ」と怒りを買ったというエピソードがある「京の舞妓」も展示されている。
後期展示には、人気の高い狩野芳崖の重要文化財「悲母観音」などが展示される予定。
会期:前期は2014年2月25日まで。後期は2014年3月1日から4月1日まで
休室日:月曜日(ただし2月24日、3月31日は開室)、2月26日から2月28日
観覧料:一般1400円(シルバー割引、学生割引有り)
| 小倉遊亀作「径(こみち)」の展示風景 =「世紀の日本画」前期展会場から |
2014年02月12日 配信