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トップページ > 経営倫理士とは > 経営倫理士講座アーカイブ > 22期:2018年9月5日実施講義

<第9回講義:「ハラスメント防止対策の取り組み」(岡田 康子講師)>
 求められる不安への対応 自身内面にダイバーシティを

第9回講義は9月5日、岡田康子講師(株式会社クオレ・シーキューブ代表取締役会長/株式会社コンサルティング オアシス代表取締役)による「ハラスメント防止対策の取り組み」。

ハラスメントが起こるメカニズムと行動変容を解説する岡田康子講師

■最近のハラスメント問題と対応動向

最近のハラスメント問題を取り上げ、受講者同士での意見交換を踏まえ、「個人の行為イコール組織のイメージ」、「ハラスメントに鈍感な風土で起こる連鎖」、「ネット社会ではハラスメントは隠せない」などの問題意識の共有化から講義はスタートし、ハラスメント関連の法改正やパワハラ防止対策検討会の開催など、国の対応動向が紹介された。

■ハラスメント発生のメカニズムと行動変容へのアプローチ

ハラスメント問題への対応などで困っていることについて、受講者同士で意見交換し、問題を共有化した上で、講師がかかわった最近のハラスメント問題と職場改善対策の事例が紹介された。ハラスメント行動については、行為者の認識レベル(「問題の理解」、「重要性の認識」、「改善方法の理解」、「自己の言動への気づき」、「感情のコントロール」)に対応して、「知識教育(通達・eラーニング・講演)」、「知識教育(講演・集合研修)」、「討議形式の研修」、「自己理解のワークショップ」、「カウンセリング」のアプローチが必要になると解説した。
 さらに、認知行動療法の理論にもとづいて、ハラスメントが起こるメカニズムと行動変容に向けての「理論・思考面」、「感情面」、「行動面」、「身体面」からのアプローチについて説明し、実施した行動変容プログラムから「行為者の言い分を十分に聞いていない」、「行為者に問題意識がない」、「行為者も被害者」という問題点が明らかになったと解説した。

■パワハラにならない部下指導

「叱ることが有効かどうか」については、産業構造や仕事の仕方が変化していることから、あるいは「ほめられたい」という賞賛獲得欲求よりも、「叱られたくない」という拒否回避欲求の方が強い部下が多くなってきていることから、「叱る効果がなさそう」な状況が増えているとした。また、「叱る」などの指示的なコミュニケーションではなく、「ほめる」などの非指示的なコミュニケーションによって、より自律的な人材を育成していくことが求められているとの現状認識を示した。

■VUCA時代の到来

VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の時代の到来をどう生き残るか。企業の観点からは、不確実性への対応としてダイバーシティ経営、グローバル経営、オープンイノベーションなどへの取り組みが行われているが、個人の観点からは不安への対応が求められるとし、「自分自身に機軸を持つこと」、「インナーダイバーシティ(自身の内面のダイバーシティ)を開発すること」、「安心社会から信頼社会への変化に対応して人間洞察力を磨くこと」が必要であると結んだ。

【講義リポート = 清澤 誠(総合企画委員)】


2018年9月26日配信

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