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トップページ > 経営倫理士とは > 経営倫理士講座アーカイブ > 22期:2018年7月19日実施講義

<第8回講義:「経営倫理とCSR」(小山 嚴也講師)>
 よき企業たるための役割と行動期待

第8回講義は7月24日、小山嚴也講師(関東学院大学副学長 経営学部教授/経営倫理実践研究センター上席研究員)による「経営倫理とCSR」。

研究者と大学運営の実務者としての視点からも解説を行った小山嚴也講師

■なぜ「CSR」なのか

多くの研究者の見解を軸に、なぜCSRについて取り組みが必要とされるのかを解説いただいた。その要因として企業不祥事の頻発、ガバナンスへの関心、持続可能性という考え方があることを挙げ、企業不祥事の頻発については、世の中の価値・基準の変化によって、これまで問題にされなかったことが問題とされるようになってきているとの見解が印象的であった。
 CSRに関する国際基準については、時系列に沿って詳細化が進んでいく様子について説明。中でも2015年に国連が採択した持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)は、それまでの国際基準に比べ内容的にも視覚的にも分かりやすく、また日本政府も本気で取り組んでいるので、これを戦略的に活用してCSRを推進するのは一案との提案もなされた。最新状況として、日本社会の若い世代での認知の高さ、ご自身の大学での具体的取り組みなども紹介された。

■CSRの理論背景と企業の社会的責任

CSRに対する混乱や誤解を起点にして、CSRの理論背景として企業の巨大化、株式会社という仕組み、法人という考え方などから、企業の求められる社会的責任の意義を説明。
 CSRが包含する企業の責任に関し、キャロルの「CSRピラミッドモデル」を紹介、「役割期待」と、それを果たす過程で適切に行動すべきという「行動期待」について説明いただいた。また、企業フィランソロピー(企業の社会貢献活動)について、活動分野、支援方法、日本における歴史などの概要についても触れた。

■企業不祥事のタネと事例研究解説(雪印乳業の事例)

企業不祥事の発生原因について、認識と実践のマトリクスによる分析について説明があった。
 企業不祥事の具体的な事例としては、小山講師が発生当初から深く関わっている雪印乳業食中毒事件について、その事実関係が詳細に説明され、問題点・学ぶべき点が分かりやすく提示された。小山講師からの説明では、企業不祥事についてのヒアリング結果は、世に出にくいものであるとのことで、大変貴重な事例解説だと言える。
 研究者としての視点に加えて、大学運営に携わる実務者としての視点が随所に盛り込まれているのが印象的であった。パワフルな話し方と相まって、受講者は最後まで集中して受講していた様子。講義後の質疑応答についても、さらに踏み込んだ見解を求めるたり、事例の詳細事実を確認するなど、講義への満足度の高さがうかがわれた。

【講義リポート = 宇佐美 徹(総合企画委員)】


2018年8月10日配信

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