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トップページ > 経営倫理士とは > 経営倫理士講座アーカイブ > 22期:2018年7月19日実施講義

<第7回講義:「ダイバーシティ経営と女性活躍」(名取 はにわ講師)>
 女性を軸にしたダイバーシティの意義を強調

第7回は7月19日、名取はにわ講師(学校法人日本社会事業大学理事長、元内閣府男女共同参画局長)による「ダイバーシティ経営と女性の活躍」が講義テーマ。

男女格差の現状と問題点を詳しく講義する名取はにわ講師

■男性社会の中での女性活躍へ貢献

名取講師は、1973年法務省に入省、その後2017年9月、日本社会事業大学理事長に就任され現在に至る。国家公務員からNPO・高等教育機関への転身というキャリアを歩む過程において、総理府婦人問題担当室主査、総理府男女共同参画室長、内閣府男女共同参画局長、内閣府情報公開・個人情報保護審査会委員そしてNPO法人日本BPW連合会理事長などを歴任された。
 一貫してダイバーシティ・男女共同参画という問題に行政官の立場、また、教育者の立場から関わり続けられ、国家公務員試験キャリア合格後、男性社会の中にありながら女性としての活躍と貢献を数十年に渡って積み上げてこられた。その貴重かつ広範な経験と実績に基づき、日本における女子差別撤廃条約批准を契機に改正・成立した関連法制度の意義、浸透状況、課題などについて紹介があった。

■自身の職場で男性育休100%に取り組む

次に、総理府男女共同参画室長時代に手掛けた男女共同参画社会基本法(平成11年6月23日公布・施行)の説明がなされた。本法は罰則の無いプログラム法であること、男女共同参画社会の形成(第2条1号)と積極的改善措置(同条2号)の意義・特徴、同法第3条から7条に掲げる各基本理念の特徴などについて詳しく説明し、この法律が今日では中学校の公民教科書に掲載されていることを紹介した。
 そして、2003年から3年間における内閣府男女共同参画局長時代には、局内の男性育休100%取得に取り組み、取得者から後に得た声として、育児の重要性に対する認識の向上や妻との関係深化が図れたことなどが紹介され、続いてメインテーマとなる女性を軸にしたダイバーシティについて詳しい説明がなされた。

■それでもなお大きい男女格差

世界からみた日本の潜在力として「女性」が有力視されていること、女性の労働力率がG7並みに上昇すればGDPは4%、就業率が男性並みに上昇すればGDPは13%の上昇が見込めること、女性活躍推進を図る企業には海外投資家からの支持が得やすいことなど、さまざまな経済的効果が期待できることが説明された。
 一方、現実的には女性の就業希望者数は依然として262万人存在する(平成29年 男女共同参画白書)ことなどが指摘された。さらに世界ジェンダーギャップ指数で日本は144カ国中、2016年の111位から2017年の114位へと悪化の傾向にあること、特に政治参画および経済参画の項目において男女格差が大きい点が指摘された。具体的なデータとして女性の高等教育在学率や学歴別就業率の国際比較、男女間の給与格差、雇用形態別構成割合の推移などを示し、現状と問題点を詳しく指摘した。
 そして、日本で女性が活躍するためには、つまりダイバーシティを実現する上で必要なことは、@)両立支援策、A)ポジティブ・アクションの積極活用であることを確認した。また、女性活躍推進法(2016年4月施行)に基づく行動計画策定に際し留意すべき点として、人権への細やかな配慮、無理強いをさせないことが肝要との指摘があった。
 最後に、NPO法人日本BPW連合会が取り組む「イコール・ペイ・デイ運動」などの動向について説明があった。

【講義リポート = 朱 純美(プロジェクト・プランナー)】


2018年8月10日配信

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