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トップページ > 経営倫理士とは > 経営倫理士講座アーカイブ > 21期:2017年10月30日実施 屋外視察研修

<第18回講義:屋外視察研修 「国民生活センター」>
日々寄せられる消費者の声を生かして

■コンプライアンスを理念に

長寿時代のリスク管理をテーマにした悪質商法撃退ツールなども並ぶ展示コーナー

第21期講座の最終回は、屋外視察研修として10月30日、独立行政法人・国民生活センター(松本恒雄理事長、神奈川県相模原市中央区)で行われた。“食の安全”が問われ、食品衛生法改正の契機ともなった森永ヒ素ミルク中毒事件(1955年)や世界で数千人の胎児に奇形をもたらしたサリドマイド薬害事件(1959〜62年)などを契機に1970年10月、特殊法人として設立された。所管は消費者庁。
 文字通り国民の生活全般にわたり、安全・安心な生活を維持、向上させていくため、消費者の立場に立って危害情報の集積と提供、市販商品のテスト、メーカーへの改善要請などを行うなど、特にコンプライアンスを理念として掲げ厳格に業務にあたっている。2020年には設立50周年を迎える現場を視察研修した。

■商品テスト部など6つの部門で対応

最初に国民生活センターの施設概要や目的、業務などについてオリエンテーションが行われた。
 業務としては@相談:全国の消費生活センター経由を含む相談受け付けA商品テスト:人命や重大事故に関わる商品やその品質・表示・性能などの評価とテストB教育研修C消費生活相談員資格など試験実施D広報E情報管理―など、6つの部で対応する内容の説明を受けた。90万件ほど寄せられた相談情報については、PIO−NETと呼ばれる全国消費生活情報ネットワークシステムのデータバンクに集積されて、膨大な情報処理を行っているという。特に主体となる商品テスト部門では、事例と特徴が報告された。2016年度は1381件が寄せられ、このうちテストされたのは427商品の214件、問題が確認されて公表されたのは10件という。
 受講生からは「苦情などに基づく商品テストが年間200件、調査結果を公表するリードタイムはどのくらいか」「テストするものの優先順位は?」「健康食品などでは個人差もあるが」「医療機関に関する患者からの情報などは、どう上がってくるのか」など、帰属企業の社員らしい内容のものも含めて質問が相次いだ。

■商品の機能やうたい文句の真偽を追求

センターの概要説明を受けた後は、商品テスト棟を中心に全国の消費生活センターなどから持ち込まれる欠陥・不良商品などのテスト現場を視察した(写真)。センターの敷地面積は4万5000平方bほど、設立から47年経って、必ずしも商品テスト環境は十分とは言えないものの、大きな比重を占める家庭用品事故解析棟を含む商品テスト棟が3棟、管理・研修棟、全国からの利用者向けの宿泊棟、時速60`の自動車テスト走行直線コースまである。
 テストルームは化学系、機械系に分かれていて、ウイルス捕集率99%をうたうマスクが、80%は空気漏れであるとのテスト結果を紹介したり、2000倍まで見える走査型顕微鏡や物質表面を30万倍まで解析できるエックス線マイクロアナライザーを使っての本物の皮革かどうか組成を見分けるコーナー、ロボットを使ってヘアドライヤーの持ち手を11時間かけて4000回回転させ耐久性を確認するテスト、最近人気の電動アシスト自転車で時速10`までは人力の2倍、20`まで速度が上がるとモーターが切れるのが切れなかったりする欠陥などを実演してくれ、受講生たちもコンプライアンス、不祥事につながる事例を興味深く熱心に聞いていた。

【10/30 第18回講義 リポート=青木 信一(編集委員)】


2017年11月14日配信

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