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トップページ > 経営倫理情報 > ニュースの動き、この“数字”に注目 > 2014年9月16日配信記事

医療費の増加止まらず・・・過去最多39.3兆円に
  1人当たり医療費の地域格差は最大1.6倍

 日本の医療費が、右肩上がりで増加傾向を続けている。厚生労働省は8月26日、2013年度の概算医療費が前年度比2.2%(8,482億円)増の約39兆2556億円になったと発表。2002年度以来11年連続で増えたことになり、1人当たり医療費(30万8,429円)とあわせ、過去最多の額となっている=グラフ(A)

 医療費の増加傾向が止まらない原因として考えられるのが、高齢化や医療技術の高度化など。75歳以上の医療費は約14兆1,696億円で、全体の36.1%を占める。1人当たり医療費に換算すると92万6,715円で、75歳未満の20万7,403円と比べ4.5倍近い。

 また、医療費を診療実日数で除して算定した「1日当たり医療費」を見ると、13年度は前年度比3.1%(451円)増の1万5,213円。抗がん剤など新薬の登場のほか、高度な医療機器や手術の導入などが、増加のけん引役となっている。

グラフ(A)
概算医療費(棒グラフ、単位:兆円)、1人当たり医療費(線グラフ、単位:万円)ともに、2002年度以来11年度連続で増加傾向を続けている(出所=厚労省データより作成)。

■ 医療費が高止まりする西日本各県

 見過ごせないのは、医療費の地域格差だ。厚労省が同日発表した12年度の地域差分析によれば、1人当たり医療費の都道府県間の差は、最大で1.6倍もの開きがあるという。

 厚労省の分析では全国平均を「1」とし、各都道府県の1人当たり医療費を指数化。最も高かったのが高知県の1.282(62万4,642円)、最小は千葉県の0.823(40万810円)と、実に1.5倍以上の大きな隔たりがある。また、地域別に分析すると顕著な傾向が見られ、九州・四国・中国地方といった西日本の各県などが上位を占める一方で、下位には関東・東北地方といった東日本の各都県が名を連ねる。人口の年齢構成を調整した場合でも、大まかな傾向に変わりはない=図(B)

図(B)
全国平均を「1」とした場合の、都道府県別1人当たり医療費指数。数値が大きいほど、1人当たり医療費が高いことを示す(出所=厚労省/地図は一部改編)。

■ 医療費抑制のカギ握る「入院費用」

 医療費を特に左右するのは、全体の4割を占める入院関連費用だ。

 9月2日に厚労省が発表した同年度の医療施設調査・病院報告によれば、都道府県別の人口10万人当たりの病院ベッド数で最多だったのが高知県の2,473.4床で、全国平均(1,236.3床)の約2倍。以下、鹿児島(2,054.8床)、熊本(1,956.7床)、徳島(1,939.7床)、長崎(1,934.4床)と続く。このほか、平均入院日数や平均入院患者数、医療従事者数などについても九州・四国地方の各県が軒並み上位を占めており、医療の過供給状態が医療費全体を押し上げているといえる。

 政府はこれらの点を踏まえ、安倍晋三首相を本部長とする「社会保障制度改革推進本部」の下に専門調査会(会長・永井良三自治医科大学学長)を設置し、専門家らを交えた議論に着手した。調査会では、患者がどのような診療を受けたのかがわかるレセプト(診療報酬明細書)などのビッグデータを活用することで、医療費の地域差が生じる原因を分析。地域ごとに病院のベッド数がどの程度必要かなどを検討し、都道府県別に医療費の目標額を設定することを目指す。

2014年09月16日配信


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