本文へスキップ

企業・組織の経営倫理を推進する人材を育成・支援するNPO法人

トップページ > 経営倫理フォーラム > マイ・ノート 経営倫理 > 2018年10月01日配信記事

(12)ハラスメント撲滅の道険し

執筆: ACBEE総合企画委員 殿原 鉄也

■行為者の理不尽な言い分
 経営倫理士資格を取得したきっかけは、BERC(経営倫理実践研究センター)のハラスメント研究会で、事務局の方から勧められたことです。多様性推進G所属で人権相談窓口を担当していました。ダイバーシティ、人権問題について、より深く知ることができればと思い、現在も活動を続けています。
 最近、ハラスメントに関し、大きく報道される事例が続いています。特に、行為者の理不尽な言い分には、この立場の人が? と驚かされます。

■典型的なハラスメントの構造
 @オリンピックメダル獲得選手を多く育てた大学のレスリングコーチが、パワハラで告発されました。これは、典型的なパワハラ構造:『(優秀な)上司−部下が異動の希望を出す(上司が嫌いなわけではなく、他の場所で力を試したいなどの理由)=自身への批判・不満と受け取る⇒攻撃する』とみてよいかもしれません。
 ただ、大学学長の反論会見は、パワハラの意味すら理解されていないのかと思われる内容でした。会見からうかがえる日頃の学長の言動が圧力となり、コーチのパワハラを後押ししていたようにも見えます。“被害者”がオリンピック選手でしたので、公になりました。他の選手、種目でもある話ではないでしょうか。
 A財務省次官のセクハラ発言。さらに大臣までもが問題発言を続けています。この方々の発言は、セクハラをした人の逃げ口上の典型です。言葉遊びのように「セクハラ罪っていう罪はない」「女性が名乗り出なければ事実の解明は難しい」「加害者の人権はなしってわけですか?」、揚げ句に「ハメられた発言」まで。被害者を犯罪者呼ばわりです。国のかじ取りをしている方々の発言です。国際的にどう判断されるでしょう?

■撲滅キャラバンの活動に水
 さらに、これらの不適切な発言が繰り返し報道されることによって、多くのハラスメントを受けた方々が、どれだけ嫌な思いをしているか、また、問題意識を持ち始めていた人たちが、こういう言い訳が通るんだと思わないでしょうか。
 厚労省をはじめ、全国の各組織のハラスメント担当者が積み重ねてきた努力が吹っ飛びかねない事態です。
 現在、厚労省では、「全国ハラスメント撲滅キャラバン」として、全国で説明会を開催し、「ハラスメント特別相談窓口」も開設するという活動をしているさなかです。残念ながら、こちらは報道されません。
 わが国のハラスメント撲滅への道は、険しくなるばかりです。



2018年10月01日配信


前の記事へ 記事一覧へ戻る