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企業・組織の経営倫理を推進する人材を育成・支援するNPO法人

トップページ > 経営倫理フォーラム > マイ・ノート 経営倫理 > 2018年05月07日配信記事

(3)企業における価値観の共有

執筆: ACBEEプロジェクト・プランナー 朱 純美

私が経営者の一人である株式会社コアバリューマネジメントでは、企業顧客の役員研修も行っています。先日そのプログラムの一つとして「人として正しいことを(原題 Why HOW we do anything means everything)」(ダヴ・シードマン著 2013年 海と月社)と題した書籍を役員の皆さまと読んで意見交換を行う機会を設けさせていただきました。
 この書籍は価値観の共有を通じて企業の成功と繁栄を目指すことを目的にした、主として経営者に向けた書籍であり、企業が「どの事業をやるのか」といった視点だけでなく「その事業をどのように(正しく)行うか」の視点を持ち実践することが業績の向上につながることを説いているものです。意見交換の場では、経営理念が経営及び事業の現場でいかに実践されるべきか、また経営理念の浸透に向けて経営者が何をすべきなのかが議論されていたのがとても印象に残っています。

■さまざまな経営理念の中で
 多くの企業が経営理念を掲げていますが、それが経営の具体的な指針になるケース、一方で単なるスローガンにとどまるケースなど、さまざまではないでしょうか。ダヴ・シードマンの著作は、企業に対する顧客と社会の視点の厳しさや、ライバル企業との競争関係の激しさが増す中で企業が正しい価値観を持つこと、そして、それを組織に浸透させることの大切さを分かりやすく伝えています。正論を滔々(とうとう)と述べるだけで退屈な内容にならずに済んだのは、著者が議論のための議論ではなく、現実的な問題から目をそらさずにビジネスの現場にかかわっていたことや、著者の活動が具体的な事例として豊富に取り上げられているからだと言えます。

■人の心に届く価値観を持って
 経営理念が多様で、さまざまな人々を結び付ける共通した価値観として機能するためには、時代の変化にも対応する不変の真理を掲げながらも、それがいつの時代でも人々の心に届くべく刷新され続ける必要があります。これはまさに経営者の果たすべき役割ではありますが、経営倫理士こそこういった分野において貢献しうるのではないでしょうか
 経営倫理に関するスペシャリストであると同時に、経営レベルの課題に貢献しうる人材として活躍する経営倫理士が増えていくことに期待を持つ今日この頃です。


2018年05月07日配信


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