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企業・組織の経営倫理を推進する人材を育成・支援するNPO法人

トップページ > 経営倫理情報 > ニュースダイナミクス > 2017年12月24日配信記事

特別座談会
21期講座を振り返って

NPO法人・日本経営倫理士協会の経営倫理士資格取得のための第21期講座(全15回18講座)が、11月に修了、35人のフレッシュな経営倫理士が誕生した。途中3回の小論文提出と屋外視察を最後に2日間にわたる面接試験を経て、それぞれが新たな知識と情熱を持って、第一線に戻って行った。12月5日、代表して4人のフレッシュな経営倫理士に日本記者クラブ(千代田区内幸町)に集まっていただき、半年間の講座を振り返ってもらった。  


  「課題を網羅して学べた…」

●自社で経営倫理士第1号が2人

木ノ下 和重さん

〈木ノ下〉今の会社に入って1年半です。当社にとっては経営倫理士第1号になります。今後は先頭を走るランナーになるわけです。前の会社でもありましたが系統立ったものではなかった。今回はコンプライアンス、ビジネスエシックスについて、いろいろな観点から話を聞け、また他業種の方々ともフリーなディスカッションができて良かったと思います。

有田 賢さん

〈有田〉企業が取り組まなければならない課題を網羅的に学ぶことができましたし、業種や状況が変わると企業でも取り組みの実体が大分違うことが分かりました。そのような中で今自分がどういう期待を持ってい るのか、やってはいけないことをきちんと理解できて、とても良かったと思っています。知り合いを増やすことができたことは非常にありがたいです。実はうちの部署では私以外、4人全員が経営倫理士の資格を持っており肩身が狭かったのですが、私のメールにもやっと「経営倫理士」と肩書きが入れられることになってホッとしています。
〈宇佐美〉わが社では毎年1人ずつ参加させていただいています。半年という短い期間の中での講座で、日程調整に気を遣いました。講義の内容もよく、会社の部長職もいれば大学生もいて、意外感がありました。
〈根岸〉システム関係のデータセンターでクラウドサービスやメーリングサービスをしています。合併を2回、いろいろな業務が増えました。私も経営倫理士第1号です。8年ほど前に異動になって内部監査室に入りました。社にはCSR,CSVの部署はなく、こちらに参加したときには、ちょっと違うかなと思いましたが、講義を聴いているうちにそれぞれの題材は違うものの、根本的なところには同じ軸があることが分かってきました。日常業務と並行しての受講は厳しいものがありましたが、講義後は復習してリポートを書いていました。
 当社は情報セキュリティーには力を入れていますが、CSRがちょっと弱い。女性活躍や過重労働の話題にも関心を持ってくれますが、体系だった仕組みをつくっていかなければ、ということを今回痛感しました。

●実例を豊富にケーススタディーも盛り込む

〈千賀〉習ったことで印象に残った講義や講師はありますか?
〈有田〉どの講師も専門のところで話していたので、いずれもいい講義でした。
〈宇佐美〉世間の移り変わりとコンプライアンスとの関わりについて、いま世界はどうなのかを見ていないと判断を誤るという若狭先生の講義が頭にスッと入ってきました。
〈木ノ下〉実例を出していただいた講義の方が分かりやすかった。さらに、それについてケーススタディーとして皆でディスカッションする、そういうものを盛り込んだものが印象に残りました。企業不正で若狭勝さんは自身の体験を話されていて迫力がありました。

根岸 祥子さん

〈根岸〉名取先生の「ダイバーシティ経営と女性活躍」が印象に残りました。大学出てから働いてきたせいか、働く女性と関わることが多かったので、日本は結構女性が活躍している水準が高いだろうと思っていましたが、そうでもないということ、名取はにわ先生ご自身も多分、その時代に相当苦労されたのだろうということが伝わってきて、自分はまだまだ甘いなと感じました。これからももっと勉強しないと…
〈有田〉データをちゃんと出してくれて、国際的にみて日本のポジションがどうなのか、非常に冷静に分析されていましたので分かりやすい講義でした。
〈宇佐美〉笹谷秀光先生の「情報発信を生かした企業価値の向上」では、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」(17の目標)みたいな未来のグローバル時代のありようも見せていただいた。また、関東学院副学長・小山嚴也先生の「経営倫理とCSR」では、住民との交渉などご自身の実務経験とかフィールドワークの研究成果を生々しく語り、その語り口も分かりやすくて惹きつけられました。
〈有田〉もう一人、弁護士・寺原真希子先生の「LGBTと企業の対応」。なかなかあのような形で体系立って聞けないテーマで、先端的な話を臨場感を持って聞けたのが印象に残りました。会社の休憩室って、このままでいいのかなと自分のこととして見つめ直すいい機会でした。センシティブな問題なのでノーマークでしたから。
〈千賀〉事例、データの豊富なことや体験盛り込みなど講座の特色、手法についても触れられましたが、講義中の雰囲気などいかがでしたか?

●異業種交流でも親密に、議論や悩みも話せた

宇佐美 徹さん

〈宇佐美〉やればやるほど親密さ、というか親交が深まって議論しやすくなりました。自分で考えるトレーニング手法が良かったと思います。
〈根岸〉違う業種の会社の方と話せるのは、非常に良かったです。製薬業界、薬品のことなど知らないこともありましたし。
〈有田〉全体的に雰囲気はすごく良かったですね。野一彦先生の「企業不祥事にどう向き合うか」でのワークショップ、あと2、3回はやりたかったぐらい。本音ベースで、通常なら隠したがることもリアルタイムで話せる。この講座ならではのものだと思いました。
〈木ノ下〉今回、製薬企業からの参加が多かったようで、前から知っている方も数人いました。同じ製薬業ということで、交流はスムーズでした。
〈千賀〉 最後になりましたが、今後の講座運営で重要と思われるテーマや講師陣についてなど、ご意見、ご希望があればお話しください。

●今後考えられるリスクでディスカッションを

〈有田〉SNSやテクノジーを通したリスク、倫理観を企業としてどう捉えていくかが、これからの大きなテーマかな、と考えています。もっといろいろなケースも想定して取り組みを会社としてやっていきたいと思っています。また、取り組みが遅れている人権や労働環境もしっかりやりたいですね。
〈宇佐美〉自社の業態、状況を考えればダイバーシティ、多様な生き方を少しずつでも現実に反映させたいです。
〈根岸〉社自体がダイバーシティで在宅勤務を進めつつありますが、モノをつくるとなるとその成果はどう評価するのか、労務管理など課題はあります。内部監査も社内全体で紙が無くならないと働き方が変わらないのです。できればの注文ですが、講座の日程で講座間は1週間ほど空けるなどの工夫をしていただけるとありがたいです。
〈有田〉国際原則とか、その中で日本がどのような位置なのか、海外の動向と照らし合わせてもう少し勉強したかったです。
〈木ノ下〉プログラム全体には満足しています。これからこういうところでリスクが発生するのではないかというところが見つかる。今まで学んだことを元に、今後のリスクとしてこんなことがあると、ディスカッションしてみると面白いのではないでしょうか。
〈千賀〉経営倫理士による自主的な勉強会はあります。また、講座で質問をしたかった声などを受けて、ミニシンポジウムを最終段階の形で設けています。

本日は、貴重なご意見をいただき、大変参考になりました。ありがとうございました。皆さんの第一線でのご活躍を期待しています。


2017年12月24日配信

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