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企業・組織の経営倫理を推進する人材を育成・支援するNPO法人

トップページ > 経営倫理情報 > あの日、あの時…経営倫理士講座 > 2015年1月15日配信記事

自分の視野が広がっていく実感が・・・
  ニュース見ても、以前と違った見方に

大阪ガス都市開発 株式会社
総務部総務グループ 係長
経営倫理士(第18期)藤村邦裕さん

私は大阪の不動産会社で法務・コンプライアンス担当として仕事をしています。主な業務は社内から日常的に寄せられる法務相談に対応することですが、その中には単純な法律問題と言いにくいものも含まれています。そのような相談に直面した時、正直これまで判断に迷うこともあり、常に模索しながら仕事を進めている状態でした。

そのような中、ある日新しく赴任されてきた上司の名刺に「経営倫理士」と記載されているのを見かけました。「経営倫理士とは、どのような資格なのでしょうか。」と問う私に、上司はこう答えました。「経営倫理士とは、企業などで経営倫理を担う専門家である。自分も法務出身だが、本講座の受講を通して、法務の観点だけが全てではない、実はもっと広い視野で世界は動いている、ということを感じ戒められた。」それを聞いて、私は常々自分の視野の狭さをなんとかしたいと考えていましたので、経営倫理士に興味が湧き、本講座を受講したいと思うようになりました。

さて、大阪から本講座を受講するとなれば、講座の費用以外に旅費など多額の出費が必要となります。また毎週1回のペースで東京に出張しますので、業務にも支障が生じます。このため、講座受講を願い出たとしても厳しいのではないかと不安がよぎりましたが、ぜひ受講したい旨を上司に告げると、快く承諾していただきました。

4月下旬になり、講座がいよいよ始まりました。渋谷にある会議室には、今年の受講者約30名が集まっていました。私がこれまで受講したことがある法務関係の研修とは全く雰囲気が違います。初日は、本講座のガイダンス・経営倫理全体に関する講義、参加者全員の自己紹介があり、これから経営倫理士を目指すモチベーションがあがりました。

本講座で取り扱われる内容は法務、CSR、ダイバーシティ、監査など相当多岐にわたります。それだけ経営倫理がカヴァーする範囲が広いということですが、私は法務出身ですので、それ以外の分野については全く知らない事柄も多く、受講を重ねていくにつれ、自分の視野が徐々に広がっていく実感がありました。

講座の中で印象深かった点をいくつか紹介します。

まず、どの講師の方々も「社会の価値観は常に変化している。」という点を強調されていたと感じました。特定の価値観に固執するのではなく、常にバランスを保ちながら社会の価値観の変容をウォッチしていくこと、そして法律など成文法だけでなく、ソフトローや倫理という分野についての理解が重要であることがよく分かりました。

特に、「経営倫理とCSR」について関東学院大学の小山先生のお話はとても印象的でした。ある企業の不祥事事例を取扱いながら分かりやすい語り口で、企業が不祥事を起こす原理について説明いただきました。私は、企業の不祥事は特定の悪意のある人が起こすものだという程度の単純な認識しかなかったのですが、企業が持つ独特の文化(たとえば、「もったいない」という価値観のようなもの)が不祥事を引き起こす際のファクターになりうるという指摘には驚きを感じました。なぜなら、もしそうだとすれば普通に真面目に働いている社員でも不祥事を起こすことが十分あり得るからです。

さて、本講座は約8か月間という長期にわたって経営倫理を学ぶことになります。振り返ってみると、この間、会社での業務や日常生活においても「経営倫理」について漠然と考える時間が少しずつ多くなり、TVのニュースなどを見ても明らかに以前とは違った見方や感じ方をしている自分がいることに気が付きました。これは単発の講座で得られない、継続的な講座ならではの一生モノの知見となる基礎が得られたということではないかと思います。

講座期間中には参加者同士の懇親会も複数回実施され、親交が深まります。会社役員から大学生まで幅広い層の方々がいらっしゃいましたが、この半年間一緒に学ぶ仲間として徐々に一体感も生まれてきました。これも本講座ならではのポイントかと思います。私は法務関係の業務に主に一人で携わってきたため、普段このように交流する機会が少なく、少々孤独感を感じがちなところがありました。受講者の中に私と同じような立場でありながら社内でご活躍されている人がおりましたので、普段どのように感じておられるか率直なお話を伺うことができました。その方は、「自分も同じ。でも現場をまず信じることが大事。」とおっしゃられ大変励みになったことを今でも記憶しています。

講座の終了段階までには、三回の論文レポートの提出(うち一回は試験形式)と個人面接などもあり、受け身ではなく積極的に取り組む必要があります。面接では試験管の方から、私の論文レポートの良かったところと不十分だったところを率直にご指摘下さり、経営倫理の研鑽は一生続けていく必要があることが分かりました。

最終日の認定賞授与式の後、受講者と講師、事務局の方々との間で茶話会があり、最後に参加者一人ずつから一言述べるという機会がありました。この時に駆け付けてくれた講師の若狭先生から「経営倫理士とは、みんなが思っていてもなかなか言い出せないようなことを、自然に言えるような人のことを言うのではないか。」というお話がありました。私は、経営倫理士の資格を今後どのように活かしていくのか少々難しく大げさに考えていましたが、このお話を伺ってからなんとなく目指すべきところが見つかったと思います。

最後に、この研修を最後まで欠席せずに受講できたのは、直属の上司や後輩を始めとする人たちが私の不在時にサポートしていただけたからです。皆様に感謝を申し上げて私の経営倫理士講座受講体験記を終わります。

2015年01月15日配信


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