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トップページ > 経営倫理情報 > あの日、あの時…経営倫理士講座 > 2014年12月25日配信記事

名刺交換での威力

アステラス製薬 株式会社
法務・コンプライアンス部 コンプライアンスグループ
経営倫理士(第11期)竹歳隆一さん

ある日、BERCの某会合で千賀専務理事にバッタリ出会い、楽しくお話をさせていただいた後、「あの日、あの時」に書いてほしいとお願いをされてしまいました。7年前のことなので講義の内容もよく覚えていなかったのですが、とにかく分からないまま思い出しながら書き出した次第です。もとより、受講中も必ずしも優秀な生徒ではありませんでしたし、業務の都合でどうしても休まざるを得ないこともあって皆勤とはいかなかった生徒でした。

タイトルに書きましたように、「経営倫理士」を名刺に載せていますが、名刺交換した多くの方から「これは何ですか?」「公的な資格なんですか?」「すごいんですねえ」とかの反応をいただきます。通常は単に名刺交換しても挨拶だけに終わる場合が多い中で、やはりこの肩書きの威力は絶大であると常々感じています。また、社内で研修する際のスライドの1枚目にも私の名前の上に「経営倫理士」と書いていますが、受講している社員の視線を辿るとこの部分を見ていると感じられ、「何の資格か分からないけど、この人は専門家なんだ」と、イメージさせるには十分な威力を発揮しております。その意味で、先ずは「経営倫理士」に感謝をしている次第です。

さて、私は1994年からリスク管理を手掛け、その中の一分野である企業倫理という位置づけで経営倫理の重要性に目覚め、爾来10数年に亘り姉妹団体である日本経営倫理学会・BERCにも参加させていただきながら、企業倫理を勉強してまいりました。その間、千賀さんから経営倫理士取得のお誘いを受け、自身の頭の整理のためにも有効であると考えて参加しました。ところが、頭の整理どころか毎回の講義が刺激的な内容で、いつも渋谷まで出掛けるのにワクワクしていたのを思い出します。勿論、資格の取得でありますので関門は通らなければならず、2回のレポート提出には結構時間が掛かりましたし、試験もどうせ簡単だろうと高を括っていたらかなり専門的な問題が出題され、冷や汗をかき乍ら回答したのを思い出します。面接では勝手なことを喋ってしまって、もしかしたら不合格ではと心配もしておりましたが、心優しく合格にしていただき、感謝に堪えないところでございます。1年を通して勉強になったのは、広い視野と多角的な視点を持つことであったように思います。視野狭窄では正しい判断はできませんし、間違った判断は会社のみならず、社会にも迷惑を掛けることであると肝に銘じて今も仕事に当たっているところです。また、副産物なのか主産物なのかは分かりませんが、同期の皆様とは今でもお会いすると当時が思い起こされ、個人的に業務上の連携をさせていただいた方もあるほど、貴重な存在です。

講義で一番に思い出されるのは、何と言っても故水谷先生の「経営価値四原理システム」についてでした。先生の「経営倫理学の実践と課題」は数回読ませていただきましたが、その論理性・先見性・説得力には、いつも共感を覚えているところです。今も座右において都度確認させていただいています。講義の中では、いつものように時間を忘れるほどに熱く語っておられ、私もすっかり信奉者になって一言一言に頷いていたことを思い出します。世の中には、企業倫理に関する他の資格も存在しますが、先生の提唱された「三位一体」を背景にしたこの経営倫理士は特別なものであり、他とは違う重量感を感じています。

また、ある時、先生とお話をさせていただくことがあり、私からこんな質問をしました。「最近は、企業倫理が消えてコンプライアンスに置き換わっているようで、私は違うように思うんですが先生如何でしょうか?」。これに対して、先生は、「企業倫理はもう古いとか、これからはコンプライアンスだCSRだという人がいるが、それは違う。とんでもない話だ。流行に乗って本質を見失ってはならない。古いとか新しいとかではなく、経営倫理/企業倫理は永遠のテーマである。」と仰り、私は誠に心強く、納得させられたことがありました。私は今でもこの言葉を胸に、自信をもって業務に当たることができています。

元来、コンプライアンスは人を規制するためのものではなく、社会との関係において企業が如何にあるべきものなのかを考えることであることに着目し、企業倫理に拘りたいと思っています。そのことに確信を持たせていただいたのが水谷先生であり、同様に講義の中で熱く語っておられた各先生方であったと、今は感謝の念に堪えません。その意味で、経営倫理士第11期に参加できたことは、長い人生の中での一通過点ではあるものの、大きな通過点であったことは間違いないと思っています。これからも、講座で得た財産を大切にしながら、当社の為のみならず広く社会の為に貢献させていただきたいと思っています。

時代は混沌とし、未だに先が見えない状況にありますが、だからこそ今、経営倫理が大切でありもう一度その原点に返るべきであると思っています。経営倫理が微動だにせず輝き続ける北極星のような存在になり得たら、素晴らしい社会ができていくのではないか、そんなことを夢に見ながら仕事をしています。もっともっと多くの人が経営倫理士として活躍できるよう、これからもサポートしていきたいと思っています。

2014年12月25日配信


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