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トップページ > 経営倫理情報 > あの日、あの時…経営倫理士講座 > 2013年11月22日配信記事

講座で学んだことは、新たな気づきや問題解決のヒント

サントリー食品インターナショナル株式会社
管理本部 総務部
経営倫理士(第13期)松居幸代さん

 「来月から、コンプライアンス室に異動してもらうことになりました。」

 約4年半前のある日、こう告げられた時の私は、コンプライアンスを非常に狭く捉えていたこともあり、具体的な仕事のイメージがつかめず、非常に戸惑いました。「コンプライアンス推進は、お客様や社会からの期待に応え、責任を果たしていくための基本」――前職で一般のお客様対応を担当し、お客様の声に耳を傾け、寄り添うことの大切さを実感していた私には、この言葉は馴染みのあるものでしたが、その実践に向けて、どんな知識が必要なのか、まったく不案内でした。

 そんな私は、上司から早々に「経営倫理士」取得講座を勧められました。「これからの業務に必要な知識が一通り身につく講座だから、頑張って行って来て下さい。」そう励まされ、私は期待・不安・プレッシャーが入り混じった気持ちで講座の初日を迎えました。

 突然、経営倫理の世界に飛び込んだ私にとって多彩で奥深いプログラムの数々は、まさに「目からウロコが落ちる」そのものでした。今まで、何となくわかっていた気になっていた自分の知識がいかに曖昧なものであったか、根拠はないけれど、多分これでいいのだろうと思い込んでいたことなどが次々とクリアになり、少しずつでしたが、頭の中で知識が整理され、実践につなげていく道筋のようなものが見えてくるようになりました。また、様々な局面で組織が正しい判断をするためには、問題の本質を多面的に捉え、検証・考察を重ねなければならない、その為には関連知識の習得や世の中の変化に注意を払うことが不可欠であることなどを体得することができました。

 受講者の皆さんの熱心な受講態度や深い見識による講師との質疑応答などからも、多くの刺激を受けました。それぞれ自分達が属する組織が社会から認められ、信頼され、健全に発展することを目指して、経営倫理に取り組んでおられることを目の当たりにした私は、自分も早く、会社の中でそういう存在にならなければならないと少しの焦りを持って深く認識することができました。

 講師の方々のお話から共通して感じ取ったことは、私たち受講者への期待の高さでした。それは、講座終了後、「経営倫理士」として果たすべき責任の重さとも言い換えることができ、講座が後半に入った頃には、(もうすぐ終わってしまうなぁ)と少し淋しく感じると共に、その資格に見合う人間にどれだけ近づけているのかという観点で自分を見つめ直しながら、過ごしていたことが思い出されます。

 講座が終了した直後の私は、まだまだ組織の中での一担当者にすぎず、目の前のやるべきことに向き合い、役割を果たしていくことで精一杯でした。当時はメンバー層の意識醸成を目的とした情報発信やグループ会社のコンプライアンス意識調査などを周囲の協力を得ながら、何とか推し進めていたというのが現状で、「経営倫理士」として自身の考えを発信し、社内に影響を及ぼすというには至っていませんでした。ただ、月日を重ねるうちに、社内研修の資料作成の際に、自分なりの考えを盛り込んだり、社外に向け、自社の取り組みや自身の考えを伝えられるようになったことなど、あの時の講座のおかげと感じる場面が少しずつ増えていったことは、嬉しい発見でした。

 私は、この9月にサントリーグループの事業会社のひとつであるサントリー食品インターナショナルに異動となり、コンプライアンスを含めたリスクマネジメント全般を担当することになりました。グループ全体を対象にしていた従来と比べると、推進の対象範囲が絞られた分、事業に特化した啓発を求められたり、より幅広い法務の知識を問われる立場になり、目下、悪戦苦闘しているところですが、今後、仕事の領域が広がる中、「経営倫理士講座」で学んだ内容は、私に新たな気づきや問題解決のヒントをもたらしてくれるのではないかと思っています。

 先日、ある友人がかつて営業職だった経験を踏まえ、こんなことを言っていました。「コンプライアンスって、足かせではなく、自分を守る術なんだね。最近つくづく身にしみる。」と。

 事業活動を進めるうえで経営倫理がいかに重要で不可欠なものなのかを真に組織に浸透させることは一朝一夕にできることではありませんが、これからも粘り強く取り組んでいきたいと思っています。経営倫理の実践が組織を守り、そして正しい方向へ進んでいく道しるべであることを伝えていきたいです。

2013年11月22日配信


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