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トップページ > 経営倫理情報 > あの日、あの時…経営倫理士講座 > 2013年5月7日配信記事

CSRレポート制作などを仕事に
  実務に関する知識を深めたくて、取得講座を受講

フリーランスライター
経営倫理士(第15期)杉原成幸さん

 私は繊維・流通の業界新聞の記者を経て独立し、現在は入社案内や入学案内、広報誌などの取材・原稿執筆を主な仕事にしています。主な活動範囲は愛知県を中心とする東海地区ですが、関東地区・関西地区のクライアントから仕事をいただくこともあります。

 独立して20年、最近ではCSRレポートの仕事を依頼されることも増えてきました。当初は今までの蓄積と自らの学習によって、CSRレポートの制作を行ってきましたが、体系的に学ぶ必要があるだろうと考え、大学院への進学を考えるようになりました。

■CSRを学べる場は少ない

 CSRを専門的に学べる大学院は意外に少なく、特に私の住んでいる東海地区には科目の一つとしてCSRはあっても、CSRに関して深くかつ幅広く学ぶことができるカリキュラムを持った大学院はありませんでした。インターネット等で調べた結果、法政大学大学院政策創造研究科が「CSRプログラム」を設置していること、静岡市にサテライトキャンパスがあり、そこである程度の講義が受講できることから同大学院への入学を決めました。

 こうしてライターと社会人大学院生という「二足のわらじ」をはいた生活がスタートしました。入学前の2009年に企画・作成した「デンとソーのしあわせづくり」(デンソー)が、入学後の2010年、第31回日本BtoB広告賞の「CSR環境報告書の部」で銀賞を受賞(※)、これを契機にさらに勉強を進めなくてはという思いが強くなりましたが、大学院での研究以外にこれといったものが思い浮かばないまま、忙しい日々が過ぎていきました。

 そのような中で、仕事で訪問した企業の人から経営倫理士という資格があることを聞いたことが、私にとってもう一つのターニングポイントになりました。大学院での研究活動は学術的なアプローチであり、国内・国際動向など俯瞰的な知識は学べるものの、実務という点では若干欠ける部分があります。特に私は企業に勤務していないので、実務作業についても詳しく知る機会がほとんどありません。経営倫理士の資格取得を目指すことにしました。

■クライアントから関心を持たれることも

 講義の中で印象に残っているのは、小山嚴也先生(関東学院大学教授)の「雪印乳業の不祥事」についてでした。小山先生は不祥事を起こした企業の当事者に長時間かつ複数回インタビューをされており、企業やそこで働く人たちが陥穽に落ちていく状況をわかりやすくお話していただきました。このほか実務的な面で言えば、企業における危機管理・危険管理について教えてくださった若狭勝先生、内部監査の生かし方を説明してくださった吉田邦雄先生の講義も興味深いものでした。現在でも時折当時のノートを引っ張り出して、これらの講義をはじめとする取得講座の内容を読み返すことがよくあります。ちなみに大学院は長期履修制度を活用して3年で修了しました。修士論文は「企業不祥事の抑制に関する研究」をテーマにしたこともあって、経営倫理士資格取得講座で学んだことも反映されていると感じています。

 資格取得後、私はすぐに名刺に「経営倫理士」という資格名を刷り込みました。それ以来、名刺交換をした方から「これはどういう資格なんですか」と関心を持たれることがしばしばあります。取得者数もまだ500名未満、世間一般にはまだ知られていない資格であるせいか、初めて「経営倫理士」の名を聞いた人にはとても印象深いようで、二度目に会った時には「確か経営倫理士の方でしたね」と言われるようになりました。

 現在、二社ほどのCSRレポートの作成に関わっています。どうしても制作時期が重なってしまうため、実作業で数をこなすのは難しい面もありますが、制作の受注にまで至らなくてもご相談をいただくことも増えてきました。その時に「経営倫理士」の肩書きがあるのとないのとでは、説得力が違うように感じています。

■専門的な勉強をした証になっている

 「肩書きよりも中身」というのが本来の姿ですが、目で見える「何か」がないと人は納得しない傾向にあります。たとえばある大学生が新卒採用面接で「私は英語が得意です」といくらアピールしても、人事担当者はTOEICかTOEFLのスコアを見て語学力のレベルを測ろうとするでしょう。もっともTOEIC、TOEFLが実際の語学力を正確に反映しているとは限りませんが、一つの判断材料にはなるはずです。それと同じで「経営倫理士」の肩書きは、「専門的な勉強をした」という証になっていると思います。

 ただし、知識は必ず時代遅れになるものであり、常に学び続ける必要があると考えています。その点からも経営倫理士資格取得講座は1コマ受講が可能であること、また日本経営倫理士協会が各種セミナー、シンポジウムを開催していることは心強いと感じています。強いて希望を言わせていただけるのであれば、私の住んでいる東海地区、あるいは関西地区でもセミナー等を開催していただければと感じています。セミナー等が関東以外でも開かれれば、経営倫理士の認知度向上につながると思います。

(※株式会社キューブのスタッフとして参画。)

2013年05月07日配信


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