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  オルセー美術館企画展で歴代2位の51万人入場を記録
 ピエール・ボナール展〜いざ、「視神経の冒険」へ

「ピエール・ボナール展〜いざ、『視神経の冒険』へ」が、東京・六本木の国立新美術館で開催されている。今展の見どころは、国内外の優品32点がそろい、総作品数は130点を超え、油彩画が72点含まれること。オルセー美術館のボナール・コレクションが一挙来日し、日本初公開作品は、約30点となっている。
 2015年にオルセー美術館で開催されたボナール展では、51万人を動員し、2014年のゴッホ展に次ぐ歴代企画展入場者数で第2位を記録した。

ピエール・ボナール展の会場風景=東京・六本木の国立新美術館

ピエール・ボナール(1867〜1947年)は、19世紀末のフランスで「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほど、浮世絵の影響が顕著な装飾的画面を生み出し、20世紀になってからは、目にした光景の印象、つまり「なまの見方」をいかに絵画化するかという実験を「視神経の冒険」と呼んで追求した。
 動物を愛し、ネコと犬4匹を飼っていたボナール。生涯の絵画2300点余りのうち約700点に動物が描きこまれている。「生きた自然を描き出そうというのではない。絵の方を生きているようにするということだ。」とは、ボナールによる言葉だ。彼の作品の特色は、明るく花開いたような色彩の饗宴と、一見、切れているような、数ミリの違いでも印象が変化する独自の構図。長年連れ添ったミステリアスなモデルで妻となったマルトを描いた水浴図でも知られている。
 ちなみにマルトは、ボナールが26歳の1893年に出会ったが、その時16歳と告げた。しかし、華奢(きゃしゃ)で紫がかった青い目をした彼女が本名と実年齢を彼に告げたのは、1925年に2人が正式に結婚した時だった。
 ボナールの構図は、彼がどこから見て描いたのか不明な描き方で、「日本かぶれのナビ」と呼ばれたものの、美術史上、何派に分類できるかという位置付けが難しいという評もある。
 妻マルトは体が弱く、一日に何度も水浴したと言われるが、その際の湯気の生み出す効果や、鏡などにもチャレンジした、印象派の影響が感じられる作品も展示されている。これだけまとまって、多角的かつ優品が多数紹介される機会は貴重といってよいだろう。海景画や風景画の大作、室内画、愛らしい動物画、写真、ロートレックに影響を与えたポスターほか、私たちの目をくらませ、仕掛けの楽しい探索へと駆り立ててくれる。見た後に明るい幸せな気持ちにさせてくれる展覧会だ。

(陶)

○会 期:12月17日(月)まで開催
 ○休館日:毎週火曜日
 ○開館時間:10:00〜18:00
      *毎週金・土曜日は午後8時まで。入場は閉館の30分前まで
 ○入館料:一般1600円ほか(学生割引あり、中学生以下無料)
 ○アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
 問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

2018年10月30日 配信

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