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  「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」
 ルノワール最高傑作《可愛いイレーヌ》など

 「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」が国立新美術館(東京・六本木)で開かれている。世界有数のプライベート・コレクションで、2020年にはスイス最大規模を誇るチューリヒ美術館に移管され、日本で同コレクションをまとまって見ることができるのは、今展がおそらく最後と言われる。約60点の展示で、日本では27年ぶりのコレクションとしての公開となる。

ドイツ生まれで、スイスの実業家となったエミール=ゲオルク・ビュールレ(1890~1956)が、1937年から1956年にかけて収集したもの。特に目玉となっているのが、ピエール=オーギュスト・ルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とポール・セザンヌの《赤いチョッキの少年》などの最高傑作。
コレクションの特徴は、大学時代に美術史を学んだビュールレが、フランス印象派とポスト印象派を中心とし、さらに理解を深めるために16世紀から18世紀のオランダ派やヴェネツィア派の絵画をはじめ、ゴシック式彫刻などの古典作品、ナビ派、フォーヴィスム、キュビスム、1900年以降のフランス前衛絵画まで幅広くコレクションに加えた点。

今回の一番の注目作家・ルノワールは、印象派の主だったメンバーのうち、珍しくただ一人、労働者階級の家の出身だが、持ち前の善良さ、単純さ、そして独特のナイーブさで克服したといわれる。皮相的に見ると、ルノワールには女性解放運動とは反対の力を感じる人もいるだろう。だが、ルノワールの画家としての才能は、それらをも黙らせるだけの技量、つまり人類への愛にあふれ、人生賛歌に満ちた情熱が「ルノワール」なのだと気付かせるだろう。
イレーヌのように富裕層の家庭の子女を描き、実績を重ねた。当時のハイ・ファッションの衣装や帽子などの小物を自ら用意し、モデルに着用させ、洗練された美しい作品を数多く生み出した。
新しい表現として、モデルの顔や体などに木漏れ日のキラキラする光をまだらな陰影として、画面に落とし込んで描いた。それらの表現は発表当時、「腐敗した肉のようだ」としてさんざんな批判にさらされていたことを思うと、今日の名声の陰に隠された運命の皮肉と言わざるを得ない。

他にも、アングル、カナレット、ゴーギャン、ピカソ、ブラックなど。章立てでは、「印象派の人物―ドガとルノワール」「ポール・セザンヌ」「フィンセント・ファン・ゴッホ」が独立して組まれている。今展は、出品作のおよそ半数が日本初公開。

海外初出展のモネ作《睡蓮の池、緑の反映》や、セザンヌの知性を感じさせる代表作の肖像画《赤いチョッキの少年》にも魅了させられることだろう。

(陶)

○会 期:5月7日まで開催中
 ○休館日:月曜日(ただし、5月1日(火)は除く)
 ○開 館:10:00〜18:00
      *金曜日・土曜日は午後8時まで。入館は閉館の30分前まで
 ○入館料:1600円(学生割引あり、中学生以下無料)
 ○アクセス:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札 6出口(美術館直結)
 問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

2018年04月23日 配信

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