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   「ブリューゲル一族の画業」で特別展
      日本初公開の約100点含め150年の系譜

特別展「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」が東京都美術館(東京・上野公園)で開催中。今回は、16世紀から17世紀にかけフランドル地方(現ベルギー)で多くの画家を生んだブリューゲル一族9人による物語絵の宗教画、静物画などの作品を中心としている。同時期に活躍した同地方の画家の作品も合わせ、ほとんどが個人所蔵なため日本初公開の約100点が展示されている。

フランドルは、現在のベルギーやフランス北部などにまたがる地方。ブリューゲルという名称は、美術の世界では、ブランドとしてあまりにも有名で、同一族は約1世紀以上にわたって優れた画家たちを輩出、栄華に満ちた軌跡を残している。

16世紀フランドルでの代表的作家として、ピーテル・ブリューゲル1世(1520/25〜69)が有名だが、《バベルの塔》など多様な宗教画とともに田園風景や農民たちの日常などの風俗画も制作している。ピーテル1世はヤンが2歳に満たないうちに亡くなったが、祖母から手ほどきを受けた2人の息子を中心に、ピーテル1世の制作画風が受け継がれた。画家一族として、評価高い業績を積み上げた息子たちの功績も大きい。
 制作活動の中で、二男ヤン1世(1568〜1625)は、花などを描いた静物画に才能を発揮し、「花のブリューゲル」として有名になった。今展では《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇(ばら)》も出品されている。また、長男ピーテル2世(1564〜1637/38)は、父の模倣作品を大量に描いたが、これが同一族の画業が広く知られることにもなったと言われる。また、ルーベンスとの共作でも実績を残している。特に、見どころとなっているのは、ピーテル2世の《野外での婚礼の踊り》。
 元となった原画は父のモノトーンの版画で、そこから多少のアレンジを加え、模写して描き上げたとされるカラフルなバージョン。男性の服装の印象が現代とは異なるが、村祭りの明るいムードが人々を魅了する。一族が、16世紀という古くから「人間とは」というまなざしで挑み続けたブリューゲルの画業。名画としての貫禄が備わっている。

ブリューゲルの作品は、有名なハプスブルク家の収集によって、評価が高まって行ったが、現在、一族の作品は、ほとんどプライベート・コレクションであるだけに、一般には、鑑賞の機会がなかなか無い。この特別展では、西洋美術史の中で大いに注目されるブリューゲル一族の制作の軌跡を、まとめて鑑賞できる。一族の得意とした細密描写の作品が多く、単眼鏡の持参をお勧めする。

(陶)

○会 期:4月1日まで開催中
 ○休室日:月曜日
 ○開 館:9:30〜17:30 金曜日は20:00まで
      ※入室は閉室の30分前まで
 ○観覧料:1,600円(学生割引、シルバー割引あり、中学生以下無料)
 ○アクセス:JR上野駅「公園口」より徒歩7分
 問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

2018年03月01日 配信

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