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トップページ > 経営倫理フォーラム > アーツ・ワールド > 2017年03月19日配信記事

名作《ダナエ》《フローラ》を含む約70点を展示
  東京都美術館で「ティツィアーノとヴェネツィア派展」

上野公園内の東京都美術館で、「ティツィアーノとヴェネツィア派展」が開催され、静かな人気を呼んでいる。ティツィアーノ作品5点を含むヴェネツィア派の絵画や版画など約70点の展示。 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488/90-1576)は、ルーベンス、ベラスケス、レンブラントに影響を与え、後代において印象派のマネが参考にしたという《ウルビーノのウェヌス》(ウフィツィ美術館、今回は不出品)が特に有名。彼は、見事に当時新しい画材でフランドル地方から取り入れられたという油彩を使いこなしている。

今回の見どころは、ティツィアーノの代表作《フローラ》と《ダナエ》。その他、人気を博し、やはりシリーズ作品の多い《マグダラのマリア》も。《ダナエ》の中でも一般の話題に上る作品としては、プラド美術館の所蔵品が良く知られている。同作ではないものの、今回の作品にまつわる「枢機卿の最も私的な空間に飾るための作品で、その愛人を描き、受け取りに来た代理の聖職者でさえ、一目見ただけで誘惑されそうになった」という逸話もある。その神話のテーマ「黄金と結婚と神の御業」との相乗効果で当時の人々をどれほどときめかせたことだろう。

また、《教皇パウルス3世の肖像》からは、時の権力者たちのパトロンも多く、肖像画で評価が高かったことを良く偲(しの)ぶことができる。同作は、ビロードの微妙な色合いもさることながら、持ち物により当時の政治状況をしっかりと説明し、人物の眼力など描写力も素晴らしい。白の使い方など近代絵画への道筋をつけたとも評される。

今展では、ヴェネツィア派の傾向として、自由で大胆な構図、豊かな色彩、特に展示を通じて、さまざまな赤色のバリエーションを鑑賞することができる。展示されている、ティツィアーノの典型的な作例《復活のキリスト》にも良く表れている。

一方、展示後半には凝った額縁の作品もあってヴェロネーゼの工房作《サテュロスとニンフ》、ラストを飾るパオロ・ヴェロネーゼ《聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ》など、その装飾も見事である。最終部のヴェロネーゼの工房《ベルシャツァル王の饗宴》は異国情緒が感じられる。 冒頭部分でのラッザロ・バスティアーニ作《統領フランチェスコ・フォスカリの肖像》もヴェネツィア史上、最も長く政治の中心にいた人物としても作品の出来がよく、興味深い。

(陶)

○会 期:4月2日(日)まで開催中
 ○休室日:月曜日[ただし3月20日(月・祝)、27日(月)は開室]、3月21日(火)
 ○開 室:9:30〜17:30(金曜日は20:00まで)
 ○入館料:1,600円 (学生、シルバー割引あり)
 ○アクセス:JR上野駅「公園口」徒歩7分
 問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
 展覧会公式サイト:http://titian2017.jp

2017年03月19日 配信

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