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両巨匠の「光」と「闇」の世界を味わう
  「フェルメールとレンブラント〜17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展

「フェルメールとレンブラント〜17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展が、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されている。「光のフェルメール。闇のレンブラント。」というコピーが付けられているが、それを象徴する作品として、ヨハネス・フェルメール作の《水差しを持つ女》とレンブラント・ファン・レインによる《ベローナ》が、日本初公開。

フェルメールは、人々の日常における静かな平安の瞬間を捉え、一瞬の輝きを永遠へと導く筆さばきで、絶大な人気を誇る。その表現は、たびたび「奇跡」とまで評される。今回の作品は、朝のひとときの光と精神の織り成す空間のイリュージョンを描き出している。フェルメールの効果の秘密は、画面のいたるところに隠されているが、まず目を引くのは、主人公の若い女性が被った大きな白い透けるくらい薄手の頭巾。そして、朝の身支度の調度品にも写りこんだテーブルクロスの模様など仕掛けがある。テーマとしては、「純潔」が様々な仕掛けから浮かび上がってくるという。

レンブラントは、光と陰影の表現では、モデルの人間性までをも巧みに浮き彫りにしているという。今展では、その師匠、ピーテル・ラストマンとレンブラントの弟子の中で最も将来を嘱望されていたと推測されるカレル・ファブリティウスの作品も公開している。レンブラントは、16歳で画業を志し、若くして画壇の寵児となった。アムステルダムに豪邸を購入し、世界各地から美術品や骨とう品を収集した。

それらを参考に数々の傑作を生み出す豪奢な暮らしではあったが、家族の相次ぐ死去など、寂しい家庭生活だった。17世紀オランダを代表する画家と評されるのは、芸術を特権階級に限定させずに、一般市民を含む社会全体が享受できるように貢献したからだといわれる。

《ベローナ》は、ラテン語で戦争を意味する“Bellum”に由来する、古代ローマの戦いの女神。軍神マルスの姉妹、または妻だったとされる。持ち物は、兜とよろいで、剣や盾など、その他の武器の場合もある。レンブラントは、1632年頃から、歴史の登場人物を等身大で、光と影の強烈な効果を用いて描く大胆な作品を多数制作した。そのうちのひとつとされる。X線透視画像によれば、何回も変更があったことが分かっている。

当時、ネーデルラント連邦共和国がスペインから独立を勝ち取る渦中にあったという歴史的背景から、独立をイメージする絵画とする説もある。

本展は、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、アムステルダム国立美術館(オランダ)、ロンドン・ナショナル・ギャラリーを中心に個人蔵も合わせ、48作家約60点で構成され、カレル・ファブリティウスの自画像や、コルネリス・クラースゾーン・ファン・ウィーリンゲンによる海洋画や当時のプロテスタント教会内部の作品などもある。

(陶)

会期:2016年3月31日まで。休館日:なし

観覧料:一般1,600円(学生割引あり)

フェルメールとレンブラント展の展示風景=森アーツセンターギャラリー

2016年4月1日 配信

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