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上野の森美術館で「肉筆浮世絵―美の競艶」展開催中
  「シカゴ・ウェストン コレクション」から130点、初の里帰り展

東京・上野の森美術館で「肉筆浮世絵―美の競艶」展が開かれている。アメリカ・シカゴの日本美術収集家、ロジャー・ウェストン氏の個人コレクション1000点を超える中から厳選した約130点で構成。日本初公開。菱川師宣、勝川春草、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎など、50人を超える絵師たちを紹介している。

肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に直接描いた一点ものの作品を指す。浮世絵として広く一般に知られているのは、「版画」で摺られたもの。写楽の役者絵、歌麿の美人画、北斎や広重で有名な風景画などだが、そのような版画とは区別されている。

美人の顔の表現方法でもかなり異なる。浮世絵版画では、摺る時に絵の具を使わずに紙の白さで表現するが、一方の肉筆画では、貝殻を砕いて作られる胡粉を用い、白粉を叩くように何度も薄く重ねて白く滑らかな肌を描く。そうして生み出された髪の生え際やうなじの毛筋、まつ毛、唇の紅のぼかし、着物からすける肢体などの色香漂う作風を堪能できる。

特に、歌川豊国作《時世粧百姿図》は、注目したい。一点限りの贅を尽くした注文による作品といわれる。画中山水画や小間物など、精緻にわたる当時の生活・風俗が描きこまれた24枚からなる。有りと有る良し悪しの女の形を描いたとされる豪華な作品。江戸時代の幕府による奢侈禁止令の結果、派手さを抑えた「四十八茶百鼠」と言われる色味も垣間見ることが出来る。史料としても貴重で興味深い内容となっている。

その他、喜多川歌麿作《西王母図》、葛飾北斎作《美人愛猫図》、河鍋暁斎作《一休禅師地獄太夫図》などもぜひ鑑賞したい。美人画の歴史を辿りながら楽しめる展示となっている。

(陶)

会期:2016年1月17日まで。休館日:月曜日、1月1日。但し、1月11日(月)は開館。

観覧料:一般1,500円(学生割引有り)

「肉筆浮世絵―美の競艶」展展示風景=上野の森美術館

2015年12月31日 配信

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