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36歳で早逝した天才画家の108点並ぶ
  東京国立近代美術館で生誕140年の菱田春草大回顧展

 東京国立近代美術館(竹橋)で、菱田春草の生誕140年を記念した大回顧展が開かれている。

 不熟の天才画家といわれる春草は、36歳で病に倒れ、画業は15年程とされている。日本近代画で最も魅力的な画家の一人。同展では、春草の作品合計108点が展示され、その画歴に迫っている。展示替えがあるので、事前に調べてから行くことをお勧めする。

 師・岡倉天心に従い、「空気を描く方法はないだろうか」と言われ、横山大観らとともに、当時、批判にさらされた新しい表現の「朦朧体」を実践した。しかし、作品に対する評価は厳しく、生活に苦労した時期もあったという。

 「美人は、やがて衰えゆくもの」として描いた「水鏡」など、若くして驚くほどの力量を示した作品群を味わうことが出来る。寺社に保存されていた仏教美術などを研究する事業に参加し、研さんを積んだ。後輩たちに向けて、深くその源をたどるように古い絵画を学ぶことを薦める言葉が残っている。

西洋顔料を用いるなど、常に様々な手法に挑戦した。春草が長生きしていたら、日本の画壇の作家構成図も変わっていたのではないか、という声もある。

 大観との共作なども展示され、二人の画風を比較しながら鑑賞できる。

 絶筆となった「梅に雀」(1911年)などは、体調を崩し、筆を運ぶのが苦しい中で、妻子に背を向けてこぼれる涙を隠しながら、必死に画面に向かう姿が見られた、というエピソードも残っている。

 なお、重要文化財の「落葉」は前期のみ展示(10月13日まで)、同「黒き猫」は後期のみ、同「賢首菩薩」と「王昭君」は通期展示となっている。

会期:11月3日まで。休館日:月曜日(但し、10月13日、11月3日は開館)、10月14日(火)。観覧料:一般1,400円(学生割引有り)

(陶)

菱田春草展の展示風景(=東京国立近代美術館)

2014年10月04日 配信


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