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<第19回>
 合併や連携を推進する人たちの本音

 あちこちで「合併」や「連携」の文字を目にする。企業同士が合併するというニュースは「またか」という感じがするし、政治の世界でも政党と政党の合併や連携は日常茶飯事である。なぜだろうか。

 「太陽の党」共同代表の石原慎太郎前東京都知事と「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長は11月17日、両党の合流(合併)を発表した。合併後の党代表には石原氏、代表代行には橋下氏が就いた。出来たてほやほやの「太陽の党」は衆院選の準備が整っておらず、日本維新の会を頼ったのは何となくわかるし、「選挙の顔」が必要な日本維新の会が石原人気を利用しようとする事情も理解できなくはない。しかし、石原氏と橋下氏の政治信条や主張には大きな隔たりがあるのは明らかであり、「野合だ」と批判されても仕方がない。

 「野合」と批判されるのをわかっていながら、合併や連携に走るのは、「単独でやっていく能力や自信がない」からにほかならない。政治家にせよ、企業の経営者にせよ、自分が権力を握っている組織が単独で生き残り、勢力を拡大できるのなら、無理に合併や連携を考える必要はない。石原氏と橋下氏も本音では「単独で権力を握りたい」と考えているはずだ。仮に選挙で一定の票を得るにしても、両者がうまく協調して組織を運営している姿は想像しづらい。

 企業同士の合併でも、似たような事例は多い。単独路線を貫きたい本音を隠して合併したものの、役員や従業員の間にすき間風が吹き、組織がばらばらになってしまうこともある。例えば旧大和銀行と旧あさひ銀行は合併して「りそな銀行」となったが、旧行意識が抜けずに銀行内が混乱した。りそな銀行は2003年の発足直後に経営難に陥り、約2兆円の公的資金の注入を受けて「実質国有化」された。

 単独でやっていく自信がないから合併で身の丈を大きくし、主導権を握りたい――。こうした考えの持ち主たちの行く末がどうなるのかは、すでに歴史が証明している。

(希望の民)

2012年11月21日配信


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