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<第18回>
 チェーン店に振り回される日常生活

 日本人の数は頭打ちになり、国内で売れる商品やサービスの総量はこれ以上、増えないのに、様々な業種のチェーン店は相変わらず、激しい出店競争を続けている。その代表例がコンビニエンスストアだ。全国のどこに行っても目につくコンビニ。生活の基盤としてすっかり定着した感があるが、ひとたび売れ行きが悪いとみるや撤退するのも早い。商品の入れ替えも激しい。コンビニは本当に「便利な」存在と言えるのだろうか。

 新聞報道によると、セブン&アイ・ホールディングは傘下のスーパー、イトーヨーカ堂の運営をパート中心に切り替え、2015年度をめどに現在の正社員8600人を半分に減らす。その一方でパートを6800人増やし、サービス水準や販売力の引き上げを目指すという。正社員の削減はグループ内の他社への転籍や、採用抑制による。最大の転籍先は、出店を加速するコンビニのセブン−イレブン・ジャパン。店舗の経営指導員や直営、フランチャイズ加盟店の店長に据える。

 正社員を売り場に配置し、きめ細かいサービスを提供するスーパーは収益性が低い。アルバイトをレジに配置するだけで済むコンビニに経営資源をシフトし、グループの収益力を高めよう――。上記のニュースを単純に表現すればこうなる。セブン&アイグループが生き残っていくためにはやむを得ない選択なのかもしれないが、こうした企業が増えれば増えるほど、日本全体に「安かろう、悪かろう」のデフレスパイラスが広がる気がしてならない。

 必要最低限のものは並んでいるが、決して豊かとはいえない品揃え。店側の都合で、頻繁に入れ替わる商品。その店の運営には責任を持たないアルバイト店員たち。そして、売れ行きが少しでも悪くなると、さっさと撤退する。日本人はいつから、こんな風景を好むようになったのだろうか。

(希望の民)

2012年09月12日配信


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