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<第12回>
 過度な「パフォーマンス」はもろ刃の剣

 民主党の野田佳彦首相が誕生し、ドジョウが一躍脚光を浴びている。「ドジョウのように泥臭く」と自らをドジョウにたとえ、庶民派をアピールしているためだ。散髪は1回1000円のチェーン店「QBハウス」を利用し、グループの会合を居酒屋で開くなどのエピソードからは、確かに庶民と同じレベルの生活ぶりが想像できる。毎晩のようにホテルのバーに通っていた麻生太郎氏や、実母から毎月のように多額の「お小遣い」を受け取っていた鳩山由紀夫氏ら、庶民とはかけ離れた生活を送る政治家たちが目立っていただけに、ドジョウ首相の評判はとりあえず悪くなさそうだ。

 もっとも、ドジョウのイメージが先行しすぎるのはもろ刃の剣である。野田首相は財務相のころからの増税論者であり、民主党の代表選でも候補者の中で唯一、増税の必要性を訴えた。これから具体的な政策に踏み込むにつれ、「庶民派がなぜ増税するのか」といった批判を受ける可能性もある。野田首相の9月3日の動静を新聞で見ると、QBハウスで散髪したあとホテルニューオータニに宿泊している。野田首相はやがて首相公邸に移り住む模様だが、一国の首相が「庶民」であり続けるのはどだい無理なのだ。

 イメージ先行のパフォーマンスで思い起こすのは小泉純一郎元首相である。「ワンフレーズ」政治に多くの国民が酔い、高い支持率を維持しながら郵政改革などを実現したが、構造改革に伴う負の遺産がいまだに日本を覆っている。小泉改革の申し子とも言える堀江貴文・元ライブドア社長はテレビ出演などによるパフォーマンスで知名度を上げ、証券市場から多額の資金を集めた。だが、時価総額を裏付ける事業が実際には育っておらず、そのギャップを埋めるべく有価証券報告書に虚偽の記載などをした結果、証券取引法違反で有罪判決を受け服役中の身だ。

 リーダーには一定のパフォーマンスは必要だろうが、パフォーマンスはしょせん、パフォーマンスにすぎない。インターネットの普及により、リーダーの「虚像」と「実像」は直ちに暴かれるようにもなっている。大切なのは「リーダーとして何を実行するか」である。

(希望の民)

2011年09月09日配信


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