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<第1回>
 「仕分け」人気はいつまで続く…

 「小遣いも妻の基準で仕分けされ」。民間企業が主催する2009年度川柳大賞の「次点」にこんな川柳が選ばれた。政府予算の必要性を項目別に公開の場で検討する「事業仕分け」は大いに注目を集め、民主党の「仕分け人」たちは存在感をアピールするのに成功したようだ。「仕分け」は流行語にもなり、鳩山由紀夫内閣の支持率は「仕分け効果」で上昇した。

 政府の予算決定のプロセスがこれまで、「ブラックボックス」の中に隠されていたのは確かだ。霞が関の各省庁が予算要求→財務省が項目ごとに査定し、順位付け→与党の了解を経たうえで、項目別の予算額を内定→政府案の決定という手順を踏むのだが、ほとんどが国民の目に触れないところで進行していた。

 例年、年末になると政府予算案が決まり、新聞などには「一般歳出が○○兆円」「国債費が○○兆円」といった文字が躍るが、最終決定した後に、兆円単位の金額を示されても、「自分の生活とどう関係するのか、よくわからない」というのが普通の感覚だろう。民主党はそんな慣習にメスを入れ、政府予算の決定プロセスを国民の前に明らかにした。仕分け人の攻勢にたじたじとなる霞が関官僚たちの様子を見て、胸のすく思いがした人が多かったからこそ、民主党人気につながっている。だが、そんな気分はいつまで続くのか。

 今回の仕分けによる削減目標は3兆円。結果として、独立行政法人の基金からの返納分などを除くと約7000億円しか削減できなかった。100兆円規模に近い政府予算の中では微々たる金額に過ぎない。国民はやがて「見世物」には飽き、予算全体の構造に目を向けるようになる。仕分けは予算全体のほんの一部にすぎず、民主党が結局はバラマキ財政に走っていることに気づいたら、国民は逆に民主党に批判の目を向けるだろう。

 企業の情報公開についても同じことが言える。業界他社が同様な商品をすでに発売しているのに、「新商品」と銘打って発表したり、複雑な料金プランの一部だけを「割安プラン」として公表したりする企業が相変わらず多い。不祥事が発生したとき、全体像を示さずにその場しのぎの対応に走った結果、のちに強烈なしっぺ返しを受けた企業も目立つ。情報公開の基本は「隠しだてをしないこと」。今年は、この基本を忘れない年にしたい。

(希望の民)

2009年12月12日配信


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